■ノーム <Gnomes>■
ノームは過去から学ぶと同時に未来を予言し、未来からも学ぶ能力を備えている。
彼らの名称は「学ぶ、理解する」を意味するギリシア語“キグノスコ”に由来しており、ノーム最大の特徴は、宇宙の森羅万象について鋭い洞察力を持っていることである。
ノームは12cmほどの身長と、それにつり合った体型をしており、容貌は彼らが住む国の原住民に似ている。
体が小さいことはさておいて、ノームと人間の大きな違いは、彼らの老いを知らない陽気な表情にある。人間のようにくよくよと思いわずらう質ではなく、健康のためにお祭り騒ぎを慣行し、そのせいか数百年も生き長らえる。
ノームは親切で慈悲深い。「学び、理解する」能力によって生物あるいは無生物のあらゆる精霊を見抜く洞察力を与えられ、樹木・動物・草・その他宇宙の全創造物とそこに宿る精霊たちにたやすく影響を及ぼしたり、協力することができる。
ノームは機織り・木細工などさまざまな技術を開拓したが、さらに複雑な工業技術を探求しようとはしない。簡素で気楽な生活を営む彼らは、工業化に伴う諸問題を敬遠するのである。
やがて彼らはその慈悲深い性格から、人間たちを助けるために人事に干渉するようになった。
労働に疲れた乳しぼりの少女が朝起きてみると、どの桶にも乳が満たされていたり、まどろんでいた羊飼いが目を覚ますと、牧場の羊は駆り集められ、家路につくのを待っている。
また、夜の間にノームたちが仕事を片づけてくれたお陰で貧しい靴屋や仕立屋が次々と裕福になった。
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<<エンサイクロペディア・ファンタジア 第2章より>>